推させてください

映画とかドラマとか、数多いる推しに関することを書く筈がほとんどプロレスの話しかしてない。飯伏幸太選手推し

セルリアンブルーに魅せられて

 

 

この記事は、はとさんのアドベントカレンダー企画 #ぽっぽアドベント 12月14日分です。

 

 

 

 

◆第0試合◆

 

 

はじめまして、あだもです。

アドベントカレンダー…なんて楽しそうな企画!と参加表明したはいいものの、日々更新される皆様の愛溢れる文章が素晴らしくて時に眩しくて、ここに私が参加していいのだろうか……という気持ちで書いています。

企画されたはとさん、こんな素敵な企画に参加させていただきありがとうございます。

普段は洋画や海外ドラマや宝塚やジャニーズや歌舞伎などなど色んなものをつまみ食いして楽しく生きている私が、新日本プロレスにハマってカメラを買ったらもっと楽しくなった話です。

 

 

 

◆第一試合~第三試合◆

 

 

今年一番の思い出は?と聞かれたら、間違いなくプロレスと答える。

2019年はそんな1年だ。

始まりは昨年、とあるニュースサイトで日本人がWWE(世界一規模のプロレス団体)で快挙を成し遂げたのを知ったこと。その日本人選手、中邑真輔という選手の入場に私はどうしようもなく惹きつけられてしまった。

 

https://youtu.be/m8izXHKZSXw

 

時間とほんの少しの興味がある人は見てみてほしい。

見ない人のために簡単に説明すると、サイド刈上げロングパーマのおじさんがマイケル・ジャクソンのスリラー風の衣装を着てバイオリン生演奏の中を踊りながら入場している。何を言ってるのかわからないと思うが私も初めに見たときは何が何だかわからなかった。私が想像する所謂“プロレス”像とは全くかけ離れていたから。

 

思い描いていたプロレスのイメージと異なるパフォーマンスに一気に興味が湧いた。とはいえ私が知っているプロレスのことといえば、WWEザ・ロックアントニオ猪木。小さい頃にケーブルテレビでよくWWEの試合を見ていたことを覚えているけれど、記憶に残るのはロック様ばかりで他はあまり覚えていない。ちなみにその頃はロック様が好きで、でも何故か周囲にそれを明かすのは憚られてロック様の出演映画を観ることが出来なかったのを覚えている。スコーピオンキング、なぜか未だにこの映画は観ていない。今なら誰の目も気にせず観ることが出来るのに。

 

ロック様の出演作の話はおいて、その程度しかプロレスについて知らない私はまず動画サイトでプロレスを見てみた。あまりしっくりこなかった。四角いリングの中でぶつかり合う体格のいいプロレスラー達とそれに声援を送る観客、苦しそうにしながらもロープに触れると沸き起こる拍手。悔しそうな顔で離れる相手…?ルールも知らないままの狭い知識の中ではエントランス動画が一番すごくて、面白いもので。でもそうしているうちに生で観戦してみたくなった。聞けばプロレスの試合は1枚のチケットで何試合か見られて、選手も沢山出場しているらしい。それならば中邑選手のように楽しい選手が他にもいるのでは?そう思うと観戦への思いは膨らみ、一生に一度だと思って観に行こう!ということになった。

 

そう考えたものの実際に観戦に行くことが出来たのは、中邑真輔を知ってからおよそ1年後の2019年1月。本当は中邑を見たかったけれど、今はWWEに在籍しているので日本にはツアーなどで来ない限り見られない。それならば中邑が在籍していた新日本プロレスを観に行こう、出来れば地元で。その条件にはまったのが今年の1月だった。

会場はよく音楽アーティストのコンサートが行われるホール会場。

仕事終わりに急ぎ向かった会場にはコンサートの時とは違った客層の人が大勢いた。

ジャージを着ている人、誰かのマスクをかぶっている人、首からカメラを提げている人、グループでいる人、一人の人、思っていたより女性と小さいこどもが多いことに驚いた。余談だけど入場曲やらマイクやらプロレス会場で流れる音は大きいので、できれば小さいお子様には耳を守るためのヘッドホンみたいな耳当ての貸し出しがあるといいのになと思っている。

 

いつもはステージに向かって並ぶ客席が取り外され、代わりに客席中央に四角のリングが設置されている。そしてリングを囲むように四方にパイプ椅子が並べられた会場。私は3階の座席だったけれど想像していたよりずっとリングが近く感じられた。

当日までにあらかじめ予習はしてきたものの、あまり選手の顔と名前が一致しない。ましてや技は全然わからない。でもその迫力だけはよく感じることができた。

 

第一試合に出てくる黒いパンツを履いた若手選手と、ベテランの選手。相手の胸に手刀を叩き込んだ時の筋肉がちぎれたらこんな音がするのでは?と思うほどの破裂音。リングに叩きつけられた時の、重量を感じる音。観客のどよめきと息をのむ音、恐らくお決まりの掛け声。肌に触れずとも鳥肌が立っていることがわかる位の迫力と、熱と。

液晶越しに見ていたときとは全く違う世界がそこにはあった。

気づけば身を乗り出すようにしてリングを見つめ、時には大声で選手の名前を叫んだ。

冬だというのに額に汗が流れて、気づけば熱気が立ち込めていた。

終盤に向かうにつれて、会場の温度が上がる、試合も熱戦になる、観客の声も一体感を増して、棚橋弘至やオカダカズチカのようなスター選手が入場してきたときにはまさに熱狂という言葉が似合うような熱の入りようだった。

 

こんなに熱いものがここにあったなんて。

 

会場を出た瞬間、息が白くなるような外気にさらされて浮かんだのはそんな言葉だった。外はこんなに寒いのに振り返れば先ほどまで汗ばむほどの熱を感じた会場がある。一気に冷えた身体は現実に戻ったことを感じさせてまるで先ほどまでの時間が幻のようだった。

帰り道はひたすらすごいね、すごかったね、プロレス面白いね。そんな言葉しか出てこなかった。今ならばきっとあの場面の切り返しがすごいとか、この技がいいとか、ここは誰に勝ってほしかっただとかそんなことも話せるけれど、その時はまだ技の名前もほとんどわからずただただ圧倒されて、すごいとしか言えなかった。

 

翌日からは毎日狂ったようにプロレスの試合を見続けた。新日本プロレスには有料の動画サイトがあって、そこに登録すると過去の試合はおろか、今日開催されている試合でさえ中継で観られるのだ。

 

https://njpwworld.com/

 

勿論すべてではないけれど、主要な試合は中継されるしそれに関連するような試合は中継がなくても後日配信される。そして中継試合には解説のアナウンサーとゲストがついて、今対戦している2人ないし数人がどういった関係で、今繰り出されたのは何々という技で、ゲストと選手が楽屋で交わした言葉だとか試合後の予定だとか昔のコスチュームの話だとかそんなことを絶え間なく話してくれるのである。情報が多い。ブレーンバスターも片エビ固めもロープエスケープもわからない初心者には手厚くありがたい。そうこうしていると徐々に選手の顔と名前が一致するようになり、解説者と一緒に技の名前を叫ぶようになり、対角に立つ選手同士の過去の因縁をほのめかす言葉を聞けば即座に調べるようになり、フィニッシュ技を覚え、果ては選手のSNSをフォローしリング上とのギャップに目を白黒させることになる。

 

毎日仕事を終えて帰宅すると、今日の中継予定をチェックする。試合は大抵夕方からなので中継があれば中継を、なければ過去の試合を見た。夜プロレスを観るために日中を過ごす日々が続いた。毎日毎日試合がみられるのが楽しくて仕方がなかった。

プロレスは格闘技であり、スポーツであり、ショーであり、ドラマであり、人生でもある。総合するとすごくすごくエンターテイメントで、そしてとてもエモーショナルな瞬間が多いものだ。

 

私は美しい肉体が好きで、派手なアクションが好きで、キラキラとしたショーが好きで、ドラマティックなものが好きで、バックグラウンドストーリーに弱い。

そんな私が素晴らしく様々な要素をもったこのプロレスリングというエンターテイメントにはまらないわけがなかった。

 

 

 

◆第四試合~第六試合◆

 

 

プロレスが好きだ。

好きを出来るだけ自分の中に残したい。

新日本のみならず多くのプロレス団体では観戦中のカメラ撮影が許可されている。会場をみると、スマホタブレットを構えているひとやバズーカのようなレンズがついた立派なカメラを構えている人もいる。

技も選手名も覚え応援したいレスラーも出来てプロレス観戦にも慣れた頃、スマホに残った粗い選手の画像を見て思った。

 

カメラがほしい。

 

推しレスラーをもっと鮮明に撮りたい。あのすさまじい技の瞬間をおさえたい。この思いをどこかに向けたい。あの熱狂を、一瞬を、少しでも切り取りたい。あの美しく熱く狂おしいほどの姿を綺麗に残したい。

他のファンや公式のカメラマンももちろんいて、探せば観た試合の画像を見ることはできる。でもそれでは足りない、求めているものじゃない。自分が目にしたものにより近いものを自分の手で撮りたいという欲が出てきてしまった。

 

そうと決めたら居ても立っても居られず、プロレス向きのカメラを調べ、お財布と相談しつつ初めてのカメラとしてミラーレス一眼レフを購入した。CanonのEosKissMダブルズームキット。初心者向けとはいえ私にとってはそれなりの買い物だったけれど、これに関しては間違いなく今年一番買ってよかったものだと自信を持って言える。

 

購入して間もなくWWEの日本公演があって、あの中邑真輔の試合を生で観る機会に恵まれた。逆に言えば中邑を撮るためにカメラを購入したとも言える。

そして私は中邑とその所属団体であるWWEを観るために、東北から東京は両国国技館へと出向いた。人生初両国である。プロレスがなかったら両国国技館に訪れるという機会はもしかしたら無かったかもしれない。そういった点でもプロレスが私にもたらしたものは大きい。

 

広い会場の二階席から観るリングはやや遠く見えた。地方の良い意味でコンパクトな会場に慣れたからだろう。カメラを構えてファインダー越しに覗いたリングは肉眼とも、テレビ越しとも違って見えた。近いような遠いような不思議な感覚でシャッターを切った。

 

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一言でいえば、感動した。中邑を観られたことに。

いつかは観たいと思っていた中邑を、その試合を、パフォーマンスをこんなに早く見られたことに感謝した。日本人選手だから日本に来るのが当たり前、ではない。プロレスラーに怪我はつきもの、欠場も少なくない。昨年も中邑は来日したものの怪我を負っていて試合に出ることが出来なかった。それを思えばリング上で躍動する姿を見ることが出来たのは幸せだなと思う。いつかが必ずあるとは限らないのだから。

 

新日本プロレスの試合もカメラで撮影しながら観戦するようになった。夢中でシャッターを切っていると試合の流れを見逃してしまうこともあるのだけれど、スマホでは粗くて脳内に焼き付けるしかなかった肉体美が、自分が見た光景が限りなく近く鮮明に写るのはとても楽しい。何より後から見返すことが出来るのは良い。

今まで撮った中でお気に入りの写真を何枚か載せるので良かったら見てほしい。

 

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ジュース・ロビンソン選手。顔がいい…よく見ると胸元に内出血の跡が見える。

 

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ティタン選手。登場した時の盛り上がりようと言ったら!

 

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棚橋弘至選手。言わずと知れた新日本のエース。

 

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ザック・セイバー・Jr.選手(左)とSANADA選手(右)の攻防。

 

写真に残すことで、この場面でこんな表情をしていたんだな。とかじっくり見るとまつげが長いな。とか気づくこともある。肉眼で見るのと、映像で見るのとはまた違った楽しみ方だ。

他にも出かけた時や観光、飼い猫の成長記録にカメラを使っている。家族を撮る機会も増えて家族旅行の際には思い出を残すのに役立った。ほとんどプロレス観戦時の撮影用に購入したカメラだけど、思いの他様々な場面で役立ち、生活や人、飼い猫とのつながりを豊かにしてくれた。

撮るために出かけようかなという気持ちも生まれつつあり、これからより私を動かすであろうものである。

 

 

 

セミファイナル◆

 

 

2019年は新日本プロレスとカメラが私の心と身体を動かした。

なぜ新日本プロレスなのか、他の団体ではないのか。それは単純に他団体も見比べた結果、新日本が一番好きだと思ったから。強いて言えば距離的にも金額的にも一番大きく私を動かしたのは中邑真輔なのでWWEとも言えなくはないのだけれど、でも今や私にとって一番好きなのは新日本プロレスであり、一番見たいのは新日本プロレスなのだ。私の心はこの1年ですっかり新日本プロレスリングマットの色、セルリアンブルーに染まってしまった。

選手層が厚く魅力的な選手が沢山いて、試合内容も手に汗握る素晴らしさと少しのコミカルさを兼ね備えている。敵対関係や抗争、因縁などのストーリーは勿論一人の人間、プロレスラーとしての生き様が見える瞬間は大きく心を揺さぶる。試合観戦のハードルは高いけれど、動画で見ることやプロレスに触れること自体は容易になっていて、グッズも意外に実用性が高いものも多い。サイン会や撮影会が実施され、中継や解説があって、カメラ撮影もできる。

そんな充実した新日本プロレスだから、私はここまで心を掴まれ揺さぶられ、夢中になれたのかもしれない。

 

 

 

◆メインマッチ◆

 

 

2019年は動いた年だったし動かされた年でもあってその結果翻弄されることも多く、気力がもたないなと思うことも沢山あって。それでもなんとかやってこれたのは大好きな人や大好きなもののお陰で、中でも特にプロレス、新日本プロレスとの出会いは私の気力を支えてくれていたといっても過言ではないです。このアドベントカレンダー企画に参加したい!参加しよう!という勇気が持てたのも新日本プロレスへの愛と熱と、それを表に出したい!という気持ちがあったから。ありがとう新日本プロレス!!ありがとうございます、はとさん!

 

2020年には観戦のために初めて西日本へ遠征します。いつかは海外での試合も観に行きたいと思っています。新日もカメラも、私をこれからも動かし続けてくれるものだと思うのでワクワクがとまりません!

 

つまり何が言いたいかというと、プロレスは最高のエンターテイメントだし、カメラは生活やオタ活をより楽しくしてくれるぞってこと!です!

願わくばこれを読んでくれたあなたの生活も楽しくなりますように。

 ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

あいしてまーーす!

 

 

 

 

 

 

 

 

◆バックステージコメント◆

推しと気になるレスラー紹介

 

◎推しレスラー1 飯伏 幸太

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狂気の天才ゴールデンスター。若い頃から恐ろしい技を生み出すプロレスの天才。編み出した年齢が技名になっているもの(24歳)や、やり投げ、人でなしドライバー、カミゴェなど名前だけでもこわい技が沢山ある。

DDT(兼新日本プロレス)→飯伏プロレス研究所→現在は新日本プロレス所属。

爽やかかつ美しい外見とタフさの中に時折狂気が垣間見える人。昔は路上プロレスで自販機の上から背面飛び(ムーンサルト)したりしてた。サイン会などではすごく神対応

 

 

◎推しレスラー2 SANADA

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本名真田聖也。人気ヒールユニット、ロスインゴベルナブレスデハポン所属なのにラフプレーは少なく正統派?なプロレスをする。スカルエンドやラウンディングボディプレスなどフィニッシュホールド(決め技)がかっこよくて強い。

全日本→WRESTLE-1→フリー→現在は新日本プロレス参戦

ちょくちょくSNSを更新してくれる上に、自分の写真やトレーニングの動画をアップしてくれる。最高。大胸筋が最高。コメントの方向性がたまに独特。

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◎注目レスラー1  KENTA

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新日本プロレスで一番バックステージコメントが面白い煽りの達人。Twitterハッシュタグを利用してファンに盛り上げさせたりしてたある意味新日のインフルエンサー。しばらく続いてた小芝居が最終回を迎えてしまって個人的に寂しい。続編求む。

 

 

◎注目レスラー2 ジェイ・ホワイト

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ゲイリーオールドマン演じる悪役のような魅力と狂気を感じるヒール。若冠27才にして既に新日本の主要シングルベルトを3本巻いたことがある現IWGPインターコンチネンタル王者。

すんごく情けない顔で許しを乞う姿を見せたかと思うと次の瞬間相手を沈める緩急と非道さがいい。好き。ただパイプ椅子滅多打ちはこわい。

 

 

◎注目レスラー3  棚橋弘至

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言わずと知れた新日本プロレスのエース。100年に1人の逸材。自分を諦めない姿をもって私に元気と勇気をくれる人。コメントがスマートだけど、よく噛んでしまう愛嬌あふれる一面もある。